Archive for the ‘07.学会発表’ Category

学会とは

土曜日, 9月 1st, 2007
学会とは、研究者同士が自身の研究発表や意見交換などを行っていくための団体です。

主な活動内容としては、研究発表会を行ったり、研究論文をまとめた学会誌を発行したりすることが挙げられます。

学会そのものは法人、あるいは任意団体として存在するため、年々増えていきます。
中にはややカルト的な物も混ざっているため、「学会」という名前が付いているからといって安心してはいけません。

※単に「学会」と言った場合、
「電気学会」のような特定の団体を指す場合と、研究発表を行う場を指す場合の二通りがあります。
その場に応じて使い分けて下さい。

本カテゴリの文章では、団体についてを「学会」と記し、
研究発表の場については便宜的に「研究発表会」と表記します。
また、「国際学会」は国際的に行われる研究発表会、という意味で用いています。

学会によって得られること

土曜日, 9月 1st, 2007

学会発表から


プレゼンテーション能力
課題解決能力(課題発見、論理的な考察、解決案)
人脈づくり

学会誌への投稿から

文章作成能力(論理性、読みやすさ)
研究をきちんとした形で残す

学会誌への投稿

土曜日, 9月 1st, 2007
一つの研究を仕上げる集大成となるのが、論文を学会誌へ投稿することです。
単に研究発表会で紹介しただけでは研究成果として不十分ですので、
このステップを怠ると研究を行った意味がほとんど無くなってしまいます。

研究発表会の活用法

土曜日, 9月 1st, 2007

発表会の中で


類似したテーマを扱っている人同士で交流が行えます。
このため、研究に関する議論を行う以外に、今後の研究に役立つ人脈の形成、という利点があります。

初めて学会に参加する場合は誰が誰だか分からない状態が続きますが、
何度か顔を出すうちに他大学の先生とも知り合いになり、ネットワークが作りやすくなります。

単に自分の成果を発表するだけではなく、
人と人とのつながりを作り出す場、としても活用することがポイントです。


発表会の外で


せっかく学会に遠出するなら、行った先の旅行も兼ねる事をおすすめします。
基本的には研究費から旅費が出ることも多いので、タダで旅行にいけるのは大きな特権です
(その分、研究発表という仕事がありますが)。

ただし、学会の期間以上に旅行していると後でお叱りが来ることもあります
(少なくとも、旅費の支払いには影響が出ます)。

このときは、調査研究などの名目で大学を訪問する日程を組む、という手段があります。
つまり、学会以外にも滞在する理由を作っておくわけです。

もちろん、予定を組んだ以上は実施しなければいけませんが、
海外の有名大学を訪れたり、著名な教授にお会いしたり、
その大学のある町並みを探索できたり…と、プラスになる面も多くあります。

国際学会

土曜日, 9月 1st, 2007
国際学会とは文字通り、ある分野に関する専門家が
国境を越えて集まって行う研究発表会です。
場合によってはお祭り騒ぎとなるくらいの大きな集まりになることもあります。

国際学会での発表も、基本的には研究発表→質疑という流れになっています。

国内で行うものと大きな違いは、発表を英語で行う必要があることです。

慣れないうちはかなり手こずってしまう英語発表ですが、いくつかポイントを挙げておきます。

【発表原稿は読んでも問題なし】


前半のプレゼンテーションに関しては、発表原稿を作って持ち込み、
それを読み上げる形でも問題ありません。
短くても15分程度、長ければ30分程度の時間を話す必要がありますので、
ネイティブの方でもメモを読みながらというケースがあります。

慣れないうちは無理に暗記しようとするより、原稿を頼りにした方がよい発表になるでしょう。

【難関は質疑応答】


最大の難関は、発表後の質疑応答です。ここで要求されるスキルは、

  1. 相手の英語を聞き取る
  2. 質問の答えを考える
  3. 答えを英語に直して話す


という3点です。

まず、聞き取りの際ですが、英語といっても国によってなまりが多く、ネイティブでも
聞き取れないような発音をする方もいらっしゃいます。

どうしても聞き取れないときは、聞き直すか、進行役(チェアマン)に言い直してもらう
(聞き取りやすい発音で言ってもらう)という手段をとる必要があります。

自分の分野で扱われている専門用語さえ分かっていれば、
会話内容がそれほど難しくなることはありません。
ぜひ、頑張って聞き取れるように英語スキルUPにも勤めましょう。

答えを考えるステップは日本語でも英語でも同じなので割愛します。

最後に、こちらが回答をする際のポイントです。黙ってしまうと話がまったく進まなくなってしまいますし、
聞き手からしても「質問が分かっていないのか」「答えが分からないのか」「そもそも英語能力が足りないのか」という事がまったく分かりません(日本人という事で、3番目に行き着く可能性は高いですが)。

最悪の場合は単語だけでもいいので、何とか口に出すようにしましょう。
キーワード的なものを口に出すことができれば、それで理解してくれる事もありますし、
横から助け船がでることもあります(ただし、助け船に期待しすぎないように)。


【国際学会で発表する価値】


国際学会では、学会誌よりは基準が低いながらも「査読」がつきます。
このため、国際学会で発表することはその価値が認められた事になり、自身の研究成果として
残しやすくなります。

多くの研究者が国際学会で発表しようとする背景には、こういった事実も絡んできています。

とは言え、人数を集める必要がある時など、場合によっては9割以上が査読を通過したりするケースもあります。
最終的にはしっかりと論文誌への投稿を行うことをオススメします。

研究発表会に向けて

土曜日, 9月 1st, 2007

大まかな流れ


学会では定期的に研究発表会を行います。
定期的に、とはいっても、基本的には秋頃(9~11月頃)によく開催されます。

夏の間にサボらないように、という思いが伝わってきますね。

この会を通して意見交換を行い、さらに自分の研究を発展することに意義があります。
研究発表を行うまでの流れを順に追っていきます。

1.学会への申請


ここでの申請とは「発表者としての登録」という意味で、非学会員でも発表可能です。
ただし、非学会員の場合、料金が割高になります。

2.プロシーディングの提出


プロシーディングとは、当日に配布される資料に用いる要旨のようなものです。
フォーマットはそれぞれの学会で決まっていますが、A4用紙2段組で4~6ページ程度が標準です。
なお、追加料金を支払うことでページ既定を超過することも可能です。

プロシーディングの〆切は、遅くとも学会の約1ヶ月前です。
国際学会などの大規模なものでは、半年~1年近く前に提出を促される事もあります。

3.発表用のスライド作成


大半の場合はパワーポイントによる発表を行います。

1枚のスライドで1分程度という目安もありますが、数式や図表などがゴチャゴチャしている場合などは
1枚に2~3分かかってしまうこともあります。

スライドはあくまで補助的な資料です。
原稿そのものもスライドに書く、という事は控えましょう。
また、アニメーションを多用するパワーポイントも、好き嫌いが分かれます。

年齢層が高い方の多い学会では避けた方が無難かも知れません。
また、パワーポイントに頼りすぎた発表を嫌う方々もいらっしゃいます。

発表用のスライドに加えて、質疑の時に使うもの(聞かれたら見せるためのスライド)
を別に用意しておくのも一つの方法です。

4.発表練習


意外に忘れがちなのが、この発表練習です。
限られた時間内に収まるように話し、かつ理解してもらうようなプレゼンはなかなか難しいものです。

最低限、心がけて起きたいのは「プレゼンの予行演習」です。

きっちりと時間を計りつつ、うまく話せるかどうかの練習を数回行うと、
本番の発表がかなり楽になってきます。
時間が無いときでも、原稿を数回音読するなどの行為はできるだけ実践しましょう。

大切なことは、発表本番のイメージトレーニングがどれだけ正確に行えるか、という所にかかってきます。

蛇足ですが、事前に発表時間の確認をすることは怠らないように。


5.発表本番


いよいよ発表当日です。

発表前にはチェアマン(司会)が簡単な紹介をしてくれます。
このときの紹介内容は、事前に提出するケースもあれば、論文にある著者紹介からチェアマンが
考えて話してくださることもあります。
この辺りは学会によってまちまちですので、事前に確認しておきましょう。


なお、フォーマルな服装は当然ですが、必ずしもスーツにネクタイという服装にする必要はありません。最近ではスーツを着用している人数の方が少ないくらいです。開襟シャツにブレザー程度でも十分と言えるでしょう。


心構え(何のための発表か)


前項でも書きましたが、研究発表会での目的は、自分の行った研究について、行った背景や目的、
成果などを伝え、そこから議論を盛り上げる事にあります。

発表後の質疑応答を通して、新しい方向性が発見できたり、
自分では気づかなかったような欠点に気づかされる事もしばしばあります。

そもそも、研究発表会での発表はゴールではなく、中間地点でしかありません。
研究発表会での議論を通してさらに内容を良いものにし、学会誌への投稿を行って
初めて研究が一区切り着くのです。

初めて学会に参加するような学生は、質疑の時間を軽視していたり、あまり色々と突っ込まれる前に
終わって欲しいと思ったりすることも多いようですが、これでは本末転倒です。

ぜひ、研究発表を行う意義を理解し、
有意義な議論へ発展できるような発表を目指してください。

合同で行われる研究発表会の場合


研究発表会の中には、複数の学会が協賛・共催で行うものもあります。
例としては、2005年に第一回の発表会が行われた「横幹連合(横断型基幹科学技術研究団体連合)」
などがあります。

申し込み方法などは一般の物と同じですが、テーマがやや広く浅くなる場合が多くなる傾向です。

論文の書き方

土曜日, 9月 1st, 2007
論文の書き方についてです。詳しくは、レポート・論文の項目をご覧ください。
なお、英語では研究論文のことを「ペーパー」と呼びます。
単なる紙ではありませんので、勘違いしないように。

もっとも、専門外の人から見たら内容が伝わらないことも多いですし、
そういった論文は「紙」と思われても仕方がありません。
そんな皮肉も込められているのでしょうか?

研究に関する本の紹介

土曜日, 9月 1st, 2007
研究の進め方や論文の書き方については、いくつか書籍も出ています。
以下に例を挙げておきます。すべてに目を通す必要はありませんが、一読しておくと
研究の方向性を決める際にも役に立つと思います。

  • これから論文を書く若者のために(酒井 聡樹)
  • 論文の書き方(小笠原 喜康)
  • 理科系のための作文技術(木下 是雄)
  • 大学生のためのレポート・論文術(小笠原 喜康)

学会への参加方法

土曜日, 9月 1st, 2007
学会に参加するには、各学会のWebサイトに記載されている募集要項を読んで登録する必要があります。

学会に所属すると、年会費を支払う必要がありますが、その代わりに学会誌の講読や研究発表会に
参加する際の費用が安くなる特典があります。

なお、論文誌への投稿や研究発表は学会に所属していなくても可能です。
博士課程まで進学する学生でも、学会には所属していないような人もいます。
学部生や修士に入ったばかりの頃は、学会への参加までは視野に入れなくても問題ないでしょう。

学会の選び方

土曜日, 9月 1st, 2007
所属する学会の選び方には、いくつかポイントがあります。

教授や先輩にならう


同種の研究をしている教授や先輩と同じ学会を選ぶ、というのがもっとも単純かつ確実な方法です。
特に歴史のある研究分野の場合は、かなり大規模な学会も存在します。
このような学会一つを選んでおくだけでも、初期のうちは充分でしょう。

自分で選ぶ


まだできたばかりの研究分野であったり、研究室のテーマが多種多様で類似例が無かったりする場合
(文理の境界領域的なものを扱っている場合など)、自分で学会を探し出す必要が出てきます。
(教授くらいの立場であれば自分で学会を作ってしまうことも可能ですが。)

この場合は学会の設立時期や所属人数を調べるほか、
SNSのようなコミュニティからの口コミなども利用すると効果的です。