日本を飛び越えて、ビジネスプランコンテストを実現!
―ビジネスプランコンテストは、起業家の登竜門でもあります。
そのコンテストを、完全に学生主体でやってしまっている団体。
それがOVALです。
しかも、日・中・韓の合同でやるというのですから驚きです。
2007年は北京で開催されたOVALのビジネスプランコンテスト。
今回は、OVALの代表の吉本雅人さんと、財務局長の塩川徳也さんにお話をお聞きします。
よろしくお願いします。
-まず、OVALとはどんな学生団体なのかを教えていただけませんか?
吉本はい。
OVALとは、日本、中国、韓国の学生でビジネスプランを競い合う、国際ビジネスプランコンテストを主催する組織です。
今年で4年目となります。
―非常に国際的なコンテストですね。
具体的には、どのような形式のコンテストですか?
吉本まず、特徴的なのは、テーマが与えられること。
例えば、「ソウルを舞台にした、キッズビジネスを考えよ」などというものです。
ビジネスプランコンテストというと、一般的には自由にビジネスプランを持ってきて競うものが多いですが、OVALはテーマを与えられて、数日間で事業計画まで持っていかなくてはなりません。
もう一つ特徴的なのは、日・中・韓の学生でチームを組むということです。
各国から1名ずつ、3人チームを作って、チームごとにプランを作ります。
5泊6日の合宿形式ですので、その間、ずっとチームで行動することになります。
コミュニケーションは英語です。
発表も英語で行っていただきます。
―ぜんぶ英語なんですね!
ハードルが高いように感じますが、参加者は集まるのですか?
吉本各国で募集枠は30人ずつなのですが、おかげさまで毎回、募集人数を上回る数の学生の方々が応募して下さいます。
特に中国は30人の枠に500人の応募があるという状況です。
英語が出来る人も多いですし、単純に人口が多いというのもありますが(笑)
―すごいですね。
その人数で合宿ということですが、場所はどこで行うのですか?
吉本昨年は東京で開催しました。
今年(2007年)は、北京にある中国人民大学で開催します。
毎年持ち回りで開催場所を変えていくんです。
今年は、8月に行います。
―中国まで行くとなると、旅費や宿泊費も含めてかなり費用がかかりそうですね?
参加費はいくらぐらいでしょうか?
中国は近いし安いと言っても、5泊6日だとトータルで20万円はかかりそうですが。
吉本実はかなり安く済むんです。
旅費、宿泊費、参加費を合わせて4万円です。
ですので、夏休みに海外旅行に行くなら、OVALに参加するととても安上がりです(笑)
ビジネスプランコンテストの魅力
―へぇ、魅力的ですね。
では、次にお二人のことをお聞きしたいと思います。
まず、どうしてOVALに参加するようになったのですか?
塩川私は入学してすぐ4月のサークル紹介期間に、先輩のお話を聞いて参加することにしました。
国際問題にも興味がありましたし、他のサークルの説明よりOVALの説明が熱くて興味深かったからだと思います。
吉本私は、実はOVALを知ったのは高校時代なんです。
しかも、OVALを教えてくれたのは韓国人の方なんです。
高校時代に韓国の学生と交流することがあって、その時にOVALっていう団体があるよって紹介してくれました。
それで、塩川君と同じように入学してすぐ、サークル紹介期間にOVALのブースが目に飛び込んできて、高校時代に聞いたやつだ!ということで説明を聞いて、それですぐに参加しました。
私も国際問題に興味があったからだと思います。
―OVALに参加して、良かったですか?
塩川良かったですね。
やっぱり、遊びのサークルじゃなくて、自分たちで協力して何かを創り上げようとする仲間が集まっているので、真剣なことに取り組む連帯感とか、充実感というのは最高です。
―楽しそうですね。
しかし、実際の活動では、大変なことも多いのではないですか?
吉本そうですね。
先輩が培ってきた運営ノウハウがあるので、それほど大きな問題はありません。
強いて言うと、マクロスケジュールを明確にして進めていくことが課題です。
大まかなタスクリストやスケジュールはあるのですが、それを週単位、日単位に落とし込むところまで、手が回らない状況がすこしあります。
後手後手になると、大変なことになりますので、慎重に進めていかなければなりません。
それから、企業からの協賛をもらうのも大変です。
社会人の多い交流会に参加して、OVALを知ってもらって、会社に営業に行って、というようなことをしています。
また、ストレートにテレアポをすることもあります。
これは、2年生がリーダーになって、1年生がとにかく電話を掛ける、というような感じです。
断られるのはイヤですが、失敗してもいいからチャレンジするってことを実体験で学んで欲しいと思っています。
別に断られたって死ぬわけじゃないし、また別の企業にアタックすれば良いだけですからね。
1、2年生に運営ができるワケ
―なるほど。方法だけじゃなくて、意識レベルで学んで行くわけですね。
スタッフの方は1年生、2年生と、学生としては若いようですが、どうして若手がやっているのですか?
吉本OVALは、2年で辞めないといけないという決まりがあるんです。
ですから、1年生で参加したら3年生になったら卒業です。
学生時代の2年間はOVALで学んで、あとの2年は、学んだことを元に独自に活動して欲しいという考えなんです。
ですから、2年目の人間は基本的にリーダー的な存在となって、1年目のメンバーにノウハウを伝えなければなりません。1年間で、後の世代にナレッジを遺さないといけないのです。
―なるほど。いい考え方ですね。
吉本実は、これはOVAL独自の方針というより、上位概念であるWAAVという組織があるのですが、WAAV全体の方針なんです。
OVALのほかに、国内でビジネスプランコンテストを開催しているKINGという団体、それから政策コンテストを行っているGEILという団体があって、その3つを合わせてWAAVという組織を構成しているんです。
KINGはできて10年、GEILは7年、OVALは4年。
最初はKINGだけだったのですが、そこから派生してGEILやOVALが出来ました。
この3つは元は同じ組織ですので、WAAVという組織としてひとくくりにしています。
ですので、募集活動もWAAVとして行っています。
―なるほど、理念や方針、そして運営ナレッジが受け継がれて、今のやり方になっているわけですか。
現在のOVALのメンバーは何名なのですか?
吉本現時点で16名です。
スムーズな運営には、もう少し人数が必要です。
―そうですか。
メンバーの募集はどのように行っているのですか?
吉本OVALはインカレの団体なので、各大学のサークル紹介期間に現メンバーが勧誘したり、説明会を開催したりしています。
参加者が集まる理由
―コンテストの参加者のほうは?
吉本はい、まずは各教授に伝えることからです。
―学生ではなく?
吉本はい、大きな教室で授業を行う時に、授業の前後でOVALのコンテストのことをPRさせてもらう許可をもらうんです。
そのためには、授業を行っている教授や助教授の先生に許可をいただくことから始めないといけません。
企業に協賛をしてもらって、50名規模のセミナーを行ったりもしています。
そこで興味を持った人が、コンテストにも参加してくれるようにです。
あとは、mixiやGREEなどのSNSを使ったり、大学内のサークルのメーリングリストに許可を取って周知してもらうこともあります。
それから、関東だけでなく、関西にも説明に行きます。
多く回りすぎると、逆に中途半端な説明になってしまうという失敗がありましたので、今年は京都にある大学を中心に回る予定にしています。
―コンテスト参加者にとっては、安く海外に行けるというだけでなく、何かメリットはありますか?
吉本そうですね、やはり、頭が良くなるというか、鍛えられると思います。
海外の学生とのコミュニケーションも必要ですし、そのためには語学力もロジカルシンキングも出来なくてはなりません。
それに、一緒にチームになったメンバーとは、ずっと友情が続いていて、中国や韓国に行ったときに現地を案内してもらうような人もいます。
国際的な人脈ですよね。
塩川あとは、有名なコンサルティング・ファームの方の講演が合宿中に聞けますので、それも貴重だと思います。
一般的には講演をやっていないようなコンサルファームの経営幹部の方のお話なので、社会人になっても聞けるものではありません。
それと、就活のネタというか、「自分はこれだけやったんだ」という自信にもつながりますしね。
吉本参考までに言いますと、コンテスト参加者の就職先としては、大手金融機関や外資系の金融機関、コンサルティングファームなどが多いです。
あと、コンテストで考えてもらったビジネスプランをもとに、実際にビジネスが立ち上がるぐらいになれば最高なんですけどね。
―そうですよね。短期間のプラン策定ですから、ビジネスプランと言っても、最初の骨子ですね。それをブラッシュアップしていく必要がありますね。
今後も、毎年OVALのビジネスプランコンテストは開催されると思うのですが、このような学生団体に人が集まり、存続していくために必要なものは何だとお考えですか?
塩川やはり、学生団体の存続のためのミッションやビジョン、それから運営のためのナレッジだと思います。
OVALの場合は、学生のうちから日・中・韓で交流をすることで、国際感覚を持った人材を育てることがミッションです。
今までで、延べ数100名のアジアの若者がOVALで経験し、社会に出て行きました。そういう人材をどんどん増やしていけば、より良い世界が作れるんじゃないかと思います。
―素晴らしいミッション、そしてビジョンですね。
ぜひ、これからも頑張ってください。
ありがとうございました。
吉本、塩川ありがとうございました。
OLAL